【人事労務コラム】令和8年度の雇用保険料率が決定しました|社労士 岡山・倉敷

令和8年度(2026年度)の雇用保険料率が決定しました。
新年度の料率は、現行の1.45%から1.35%へと引き下げられることになりました。
本稿では、給与ソフトの設定変更等、実務上の留意点について解説いたします。
【令和8年度 雇用保険料率】※決定後修正
令和8年度の改定では、主に「失業等給付」に係る料率が引き下げられ、労使双方の負担が軽減されます 。

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一般の事業:労働者負担 5/1,000、事業主負担 8.5/1,000(合計 13.5/1,000)
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農林水産・清酒製造の事業:労働者負担 6/1,000、事業主負担 9.5/1,000(合計 15.5/1,000)
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建設の事業:労働者負担 6/1,000、事業主負担 10.5/1,000(合計 16.5/1,000)
詳細は厚生労働省の「令和8年度(2026)年度 雇用保険料率のご案内」をご確認ください。
「弾力条項」による適正な料率算定
雇用保険料率は、毎年度の財政状況を厳密に反映させるため、
法令に基づき機械的に判定される「弾力条項(だんりょくじょうこう)」によって決定されます 。
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失業等給付の算定: 積立金の余裕度を示す「弾力倍率」が、令和6年度決算において2.69と算出されました 。
これは法定基準である「2」を上回っているため、法令の規定通り料率が引き下げ(0.7%→0.6%)となります 。 -
育児休業給付の算定: 法令上の本則は0.5%への引き上げが予定されていますが 、
弾力倍率が1.70と基準の「1.2」を超えているため 、前年度と同じ0.4%に据え置かれます 。 -
財政の健全化措置: コロナ禍の雇用維持策で生じた借入金約2.9兆円のうち、
1兆円の返済免除を行う特例的な財政措置が講じられました 。
この措置が、今回の安定的な料率設定を支える背景となっています。
3. 実務担当者様への留意事項
新料率は、令和8年4月1日以降に支払われる給与より適用が開始されます。
給与計算システムの設定
4月分給与(締日・支払日により異なります)の計算までに、労働者負担分(5/1000)への変更が必要です。
年度更新時の取扱い
令和8年度の概算保険料は新料率で算定しますが、令和7年度の確定清算については現行料率(0.55%)を用いる点にご留意ください。
まとめ
今年度の料率決定が例年より後ろ倒しとなったのは、前例のない規模の財政調整が行われたことによります 。
結果として、法令に基づいた厳格なプロセスの下、労使の負担軽減が実現されることとなりました。
ご不明な点等ございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

