【DCコラム】企業型DCとはぐくみ企業年金は併用できる?掛金設定の注意点と制度の選び方|社労士 岡山・倉敷

結論:併用できます。ただし企業型DCの掛金上限は下がります
企業型DCとはぐくみ企業年金は、併用できます。 すでにはぐくみ企業年金を導入している会社も、企業型DCを追加で検討できます。
弊社の企業型DCプランも、はぐくみ企業年金との併用に対応しています。
ただし、併用すると企業型DCの掛金上限額が小さくなるため、「それぞれの上限額をそのまま使える」わけではありません。
さらに、2026年12月と2027年1月に制度の変更があるため、掛金は変更後の金額を見越して決める必要があります。
この記事では、次の3点を短く整理します。
- 企業型DCとはぐくみ企業年金は併用はできるのか
- 企業型DCとはぐくみ企業年金を併用するときの掛金設定の注意点
- 企業型DCとはぐくみ企業年金どちらか一方だけ導入するなら、どう選ぶか
※はぐくみ企業年金(正式名称は「福祉はぐくみ企業年金基金」)は、「はぐくみ基金」などと呼ばれることもあります。当記事では、「はぐくみ企業年金」と表記いたします。
企業型DCとはぐくみ企業年金は併用できる?
併用は可能です。2つの制度は、次のように別のしくみです。
| 企業型DC | はぐくみ企業年金 | |
|---|---|---|
| 制度の種類 | 企業型確定拠出年金(DC) | 確定給付企業年金(DB) |
| 約束されるもの | 会社が出すお金(掛金) が決まっている | 将来もらえる金額(給付) が決まっている |
| 運用で損失が出たとき | 会社が穴埋めする必要はない | 会社が穴埋めする必要がある |
※確定拠出年金(DC)は、毎月の掛金を決めて積み立て、従業員自身が運用商品を選ぶ制度です。確定給付企業年金(DB)は、将来の受取額をあらかじめ約束し、会社側が運用する制度です。
併用するときの注意点は1つです。 企業型DCの掛金上限が「他制度掛金相当額」の分だけ小さくなります。次の章で金額を確認しましょう。
併用するときの掛金設定の注意点:2026年12月・2027年1月の変更に注意
計算の基本は「上限額 − 他制度掛金相当額」
はぐくみ企業年金と併用する場合、企業型DCの掛金上限額は次の式で決まります。
企業型DCの掛金上限額 = 企業型DCの上限(月額5.5万円または6.2万円)− 他制度掛金相当額
「他制度掛金相当額」とは、はぐくみ基金などほかの企業年金に入っている分として、企業型DCの上限から差し引かれる金額のことです。
時期ごとの掛金上限額(はぐくみ企業年金に掛金を拠出している場合)
| 時期・条件 | 企業型DCの上限 | 他制度掛金相当額 | 企業型DCの掛金上限額 |
|---|---|---|---|
| 現在 | 月額5.5万円 | 月額2.4万円 | 月額3.1万円 |
| 2026年12月以降(上限を6.2万円にした場合) | 月額6.2万円 | 月額2.4万円 | 月額3.8万円 |
| 2027年1月以降(上限を6.2万円にした場合) | 月額6.2万円 | 月額2.5万円 | 月額3.7万円 |
| 2027年1月以降(上限を5.5万円に据え置く場合) | 月額5.5万円 | 月額2.5万円 | 月額3.0万円 |
ポイントは、2026年12月の「企業型DCの上限引上げ」だけを見て掛金を決めないことです。2027年1月に他制度掛金相当額が2.4万円から2.5万円へ変わるため、2026年12月に3.8万円で設定すると、翌月には上限(3.7万円)を超える可能性があります。変更後の金額まで見越して設定しましょう。
「はぐくみ企業年金に掛金を拠出したか」で上限額が変わります
はぐくみ企業年金に加入している会社でも、個人ごとに、はぐくみ企業年金に掛金を拠出したかどうかで企業型DCの上限額が異なる例があります。
| 個人の状況 | 企業型DCの掛金上限額(2027年1月以降・上限6.2万円の場合) |
|---|---|
| はぐくみ企業年金に掛金を拠出した人 | 月額3.7万円(6.2万円 − 2.5万円) |
| はぐくみ企業年金に掛金を拠出しない人 | 月額6.2万円(他制度掛金相当額の算出対象外) |
「2026年12月以降は、全員が月額6.2万円まで拠出できる」というわけではありません。従業員ごとの状況で上限が変わる点に注意してください。
自社で確認すること
- はぐくみ企業年金の掛金を、誰が拠出しているか
- 企業型DCの上限を、5.5万円のままにするか、6.2万円に引き上げるか
- 2027年1月以降の金額でも、設定した掛金が上限を超えないか
弊社は併用に対応しており、制度変更の時期や他制度掛金相当額を踏まえた掛金設定についてもご相談いただけます。個別の上限額や拠出できる金額は、会社の制度内容や加入状況によって異なります。
企業型DCとはぐくみ企業年金のメリット・デメリットを比較
| 比較項目 | 企業型DC | はぐくみ企業年金 |
|---|---|---|
| 将来の受取額 | 運用成績によって変動する | 運用成績によって変動しない |
| 運用方法 | 定期預金・投資信託などから選ぶ | はぐくみ企業年金に委託(主に生命保険等) |
| 掛金の上限 | 月額5.5万円(2026年12月以降は6.2万円) | 月額40万円(給与の20%まで) |
| 受取時期 | 原則60歳以降 | 退職時・休職時・育児介護休業時など |
| 加入対象 | 社会保険加入者(役員も可能) | 役員も可能(役員のみの法人は導入不可) |
企業型DCのメリット・デメリット
メリット
- 運用次第で、老後資産の増加を目指せる
- 運用商品を選べるので、従業員自身が資産形成に取り組める
- 運用でマイナスが出ても、会社が穴埋めする必要がない
デメリット
- 運用成績によって資産額が変わり、元本割れの可能性がある
- 原則60歳まで受け取れない
- 掛金の上限が、はぐくみ企業年金より小さい
はぐくみ企業年金のメリット・デメリット
メリット
- 掛金の上限が大きい(月額40万円)
- 退職時・休職時・育児介護休業時にも受け取れる
- 将来の受取額が、運用成績で変動しない
デメリット
- 主に生命保険等で運用するため、運用による資産の増加は限定的
- 役員のみの法人は導入できない
はぐくみ企業年金は、掛金を大きく積み立てたい会社や、60歳より前の受取を重視する会社に向いている場合があります。節税面の効果は、会社の状況や条件によって異なるため、税理士など専門家にご確認ください。
どちらか一方だけなら企業型DCがおすすめ?
長期的な資産形成を重視するなら、弊社は企業型DCをおすすめしています。 理由は次のとおりです。
- 運用次第で、老後に向けた資産を増やせる可能性がある
- 運用商品を選べるため、従業員が自分ごととして資産形成に取り組める
- 運用の損失を、会社が穴埋めする必要がない
たとえば、月2万円を30年間、年率5%で運用できたと仮定すると、積立総額720万円が約1,674万円になる計算です(利益は約954万円)。これは試算上の一例であり、将来の運用成果を保証するものではありません。運用成績によっては、元本を下回ることもあります。
一方で、次のような会社は、はぐくみ企業年金のほうが合う場合があります。
- 掛金を月額数万円以上の大きな金額にしたい
- 60歳より前の退職時や休職時にも受け取れる仕組みを重視したい
選び方の目安
| 重視すること | 検討したい制度 |
|---|---|
| 運用で資産の増加を目指したい・従業員の資産形成を支えたい | 企業型DC |
| 掛金の上限の大きさ・退職時などの受取やすさ | はぐくみ企業年金 |
| 両方の目的がある | 併用(掛金設定に注意) |
制度の目的や加入条件によって、適した選択は会社ごとに異なります。運用や税務については概要の説明にとどまるため、詳しくは専門家にもご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. はぐくみ企業年金を導入済みでも、企業型DCを追加できますか?
はい、追加を検討できます。ただし、企業型DCの掛金上限額が「他制度掛金相当額」の分だけ小さくなります。実際に設定できる金額は会社の状況によって異なります。
Q2. 併用すると、企業型DCの掛金はいくらまで出せますか?
2027年1月以降、企業型DCの上限を月額6.2万円にした場合で、はぐくみ企業年金に掛金を拠出している人は月額3.7万円です。上限を月額5.5万円に据え置く場合は月額3.0万円です。
Q3. はぐくみ企業年金に掛金を拠出しない人は、上限が変わりますか?
変わります。はぐくみ企業年金に掛金を拠出しない人は、他制度掛金相当額の算出対象外となり、上限は月額6.2万円です(上限を6.2万円にした場合)。
Q4. 企業型DCにはデメリットはありますか?
運用成績によって資産額が変わり、元本割れの可能性があります。また、原則60歳まで受け取れません。
企業型DCとはぐくみ企業年金の併用・企業型DCの導入は弊社にご相談ください
企業型DCとはぐくみ企業年金は併用できますが、2026年12月・2027年1月の変更を踏まえた掛金設定が欠かせません。
弊社の企業型DCプランは、はぐくみ企業年金との併用にも対応しています。
- 併用できるか知りたい
- 自社の場合、企業型DCの掛金はいくらまで設定できるのか確認したい
- どちらか一方を導入するなら、どちらが合うか相談したい
こうしたお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。
弊社では、企業型確定拠出年金の導入サポートを行っております。
自社だけで準備するのは大変なこれらの制度導入について、制度導入、および、導入後の保守管理もフルサポートを行っております。
「自社の場合はどう進めればよいか」など、具体的なご相談は、無料相談にて承っておりますのでお気軽にご相談ください。





