人事労務と助成金に特化した岡山県最大規模の事務所
お電話でのお問い合わせ
086-436-6286
平日9:00~18:00

【人事労務コラム】2026年10月からカスタマーハラスメント対策等が義務化~企業に求められる対応とは|社労士 岡山・倉敷

2026年10月1日から、すべての事業主に、カスタマーハラスメント(カスハラ)と、求職者等に対するセクシュアルハラスメントを防ぐための雇用管理上の措置が義務付けらる制度が始まっています。

「うちは小さな会社だから関係ないのでは」「就業規則に一文加えれば足りるのか」「まだ対応できていないが、何から手を付ければいいのか」。顧問先や経営者の方から、こうしたご質問をいただくことが増えています。

この記事では、制度の概要を手短に整理したうえで、事業主が講ずべき措置と、自社で確認したい項目をご紹介します。

未対応の部分がある場合も、今からできることを順に確認していきましょう。

2026年10月からカスタマーハラスメント対策が義務化

施行日

2026年10月1日です。

対象となる事業主

企業規模や従業員数にかかわらず、すべての事業主が対象です。「大企業だけの制度」ではありません。

ハラスメント対策の専門部署がない中小企業も、対応が必要になります。

義務化される内容

次の2つについて、事業主に必要な雇用管理上の措置を講じることが義務付けられています。

  • カスタマーハラスメント(顧客や取引先等からの言動に関するもの)
  • 求職者等に対するセクシュアルハラスメント

「努力義務」ではなく、事業主の義務です。

カスタマーハラスメントとは(ポイントのみ)

厚生労働省は、顧客や取引先等からの言動のうち、要求の内容、または要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもので、労働者の就業環境を害するものという趣旨で整理しています。

ここで押さえたいのは、「苦情」や「厳しい要求」がすべてカスハラになるわけではない、という点です。

判断は、要求の内容や手段・態様が社会通念上相当かどうか、そしてそれによって労働者の就業環境が害されているかどうか、という観点で行われます。

今回の制度変更で事業主に求められる対応

必要な措置は、大きく次のように整理できます。

  • 事業主の方針の明確化と、その周知・啓発
  • 相談に応じ、適切に対応するための体制の整備
  • 相談したこと等を理由として不利益な取扱いをしない旨の周知・啓発
  • カスタマーハラスメントに関する必要な措置
  • 求職者等に対するセクシュアルハラスメントについての必要な措置

就業規則を変更すれば対応完了、というものではありません。 方針の周知、相談窓口、相談を受けた後の対応体制まで含めて整えることが求められます。

ハラスメントに対する方針を明確にする

まず、会社として「カスタマーハラスメントや求職者等へのセクシュアルハラスメントは許さない、従業員(求職者等)を守る」という方針を明確にします。

方針を就業規則等の文書に定めておくことは、重要な対応の一つです。ただし、就業規則への規定だけで、求められる措置のすべてを果たせるわけではありません。

方針を定めたうえで、それが従業員にきちんと伝わっていることが大切です。

また、就業規則に定める場合も、どのような条文が必要かは会社の実情や既存の規定によって異なります。

「必ずこの条文を追加しなければならない」というものではないため、自社の規定を確認したうえで検討しましょう。

相談窓口・相談対応の体制を整える

次に、従業員が相談できる体制を整えます。確認したいのは、次のような点です。

  • 誰に(どの部署・担当者に)相談できるのか
  • 相談方法(口頭、メール、書面など)は決まっているか
  • 相談を受けた場合に、事実確認や対応をどのような流れで進めるのか
  • 相談者のプライバシーに配慮できているか
  • 相談したことで不利益な取扱いを受けないことが明らかになっているか

小規模な会社では、「社長に直接言える」「総務担当が話を聞く」といった形が実態であることも多いでしょう。

その場合も、窓口として明確にし、従業員に伝えておくことが出発点になります。

従業員や求職者等への周知を行う

方針や相談窓口は、定めただけでは機能しません。従業員が知っていてはじめて、相談につながります。

周知の方法には、社内掲示、社内共有ツールやメールでの案内、研修や朝礼での説明、就業規則等の配布などがあります。

また今回は、採用活動の場面も対象になります。求職者等に対するセクシュアルハラスメントについても、会社としての方針や相談先を、求職者等が把握できるようにしておく必要があります。採用パンフレットや採用ページ、募集要項などを活用した周知も、方法の一つです。

求職者等と接する場面としては、面接、就職活動中のやり取り、採用担当者との連絡、インターンシップ等が考えられます。

具体的な対象範囲や例は、厚生労働省の資料でご確認ください。

カスタマーハラスメント対策で注意したいこと

「クレーム=カスハラ」ではありません

お客様からのご意見や苦情には、サービス改善につながる大切なものも多くあります。

正当な苦情や要望まで、カスハラとして扱わないことが前提です。

目的は、従業員の就業環境を守ること

カスハラ対策は、顧客対応そのものを否定するものではありません。従業員が安心して働ける環境を守るための取り組みです。

「どのような言動を、会社としてどう扱うか」を考える際は、業種や取引の実態によって状況が異なることも踏まえ、厚生労働省の指針・資料に沿って検討しましょう。

会社ごとに求められる具体的な対応は異なり、すべての会社が同じ対応をする必要はありません。

自社のハラスメント対策を確認しましょう

次のチェックリストで、自社の状況を確認してみてください。

  • 会社としてのハラスメント(カスタマーハラスメント・求職者等へのセクシュアルハラスメント)に関する方針を定めている
  • 就業規則等の内容を確認した(必要に応じて見直しを検討している)
  • 相談窓口(担当者・連絡先)が明確になっている
  • 相談を受けた場合の対応の流れ・体制がある
  • 相談者に不利益な取扱いをしないことを定め、周知している
  • 方針や相談窓口を従業員に周知している
  • 求職者等への周知・対応を確認した(採用ページ、募集要項、面接時の対応など)

施行日はすでに過ぎていますが、「まだ」「わからない」という項目があっても、気づいた今から整えていくことが大切です。

まずは方針の明確化と相談窓口の設定など、できるところから進めましょう。

制度の詳細は、厚生労働省の公表資料で確認できます。

ハラスメント対策や就業規則の見直しはご相談ください

「自社に必要な対応が分からない」「対応が追いついていない」「就業規則をどう見直せばよいか」「相談窓口や周知を、どのように整えればよいか」。

そのような場合は、お気軽に当事務所へご相談ください。

当事務所では、就業規則の作成・変更に加え、相談窓口や周知方法の整備など、ハラスメント対策全般のご相談をお受けしています。

就業規則だけ直せば終わりではありません。社内の相談体制や周知方法なども含めて、自社の対応状況を確認しておきましょう。

お問い合わせ・ご相談は、当サイトのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

 

 

CONTACTお問い合わせ

SPECIALIZED SITE専門特化サイト

お問い合わせはこちら