【人事労務コラム】19歳以上23歳未満の被扶養者認定、年間収入要件が変わります|社労士 岡山・倉敷
2025年8月19日、日本年金機構は「19歳以上23歳未満の被扶養者認定における年間収入要件の変更」を発表しました。この改正は、令和7年10月1日以降に扶養認定を受ける場合に適用され、従来の「年間収入130万円未満」から「年間収入150万円未満」へと引き上げられます。この変更により、扶養者の認定基準が緩和され、特に学生や若年層の就業状況に柔軟に対応できるようになりました。
19歳以上23歳未満の扶養者認定の収入要件がかわります
扶養認定日が令和7年10月1日以降で、扶養認定を受ける方が19歳以上23歳未満の場合(被保険者の配偶者を除く。)は、現行の「年間収入130万円未満」が「年間収入150万円未満」に変わります。なお、この「年間収入要件」以外の要件に変更はありません。
現行
年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)および
- 同居の場合:収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
- 別居の場合:収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
年齢要件(19歳以上23歳未満)の判定
年齢要件(19歳以上23歳未満)は、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定します。
例えば、扶養認定を受ける方が令和7年11月に19歳の誕生日を迎える場合には、令和7年(暦年)における年間収入要件は150万円未満となります。
出典
日本年金機構:https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202508/0819.html より
事例:学生の扶養認定
例えば、2025年12月1日に19歳になる大学生・田中太郎さん(仮名)を考えてみましょう。太郎さんは、現在父親の健康保険の扶養に入っているとします。年間収入が140万円を超える見込みとなり、従来の基準(年間収入130万円未満が扶養認定の要件)では、扶養から外れるか、収入を調整しなくてはいけませんでした。今回の改正により、収入が150万円未満であれば扶養認定を受けることが可能となります。これにより、太郎さんは引き続き父親の扶養に入ることができ、保険料の負担軽減や各種社会保険の恩恵を享受できます。
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改正の背景と影響
この改正は、令和7年度の税制改正に基づき、厳しい人手不足の状況における就業調整対策の一環として行われました。特に、学生や若年層がアルバイトやパートタイムで就業するケースが増加しており、従来の収入要件では扶養認定を受けられない場合がありました。今回の基準引き上げにより、これらの若年層の就業状況に柔軟に対応できるようになります。
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留意点と手続き
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年齢要件の判定:扶養認定日が属する年の12月31日時点で19歳以上23歳未満であることが必要です。年金機構
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収入要件の適用時期:令和7年10月1日以降の扶養認定において、年間収入150万円未満の要件が適用されます。
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過去の期間の認定:令和7年10月1日より前の期間について認定する場合、従来の年間収入130万円未満の要件が適用されます。 * * * ** *
まとめ
2025年10月から、19歳以上23歳未満の子どもを持つ家庭では、被扶養者認定の年間収入要件が 130万円から150万円未満 に引き上げられます。学生かどうかは問わず、収入が150万円を超える場合は扶養に入れなくなるため、アルバイトや給与の管理には注意が必要です。