人事労務と助成金に特化した岡山県最大規模の事務所
お電話でのお問い合わせ
086-436-6286
平日9:00~18:00

【DCコラム】節税スキームの行きすぎが制度を壊す 〜DC制度に求められる自浄作用〜|社労士 岡山・倉敷

確定拠出年金(DC)は、老後資金の準備や人材定着に役立つ制度です。
しかし、「節税メリット」だけを目的に導入し、放置してしまえば制度は形骸化します。
近年は、制度を守るために“自浄作用”が働き始めています。

  ※  ※  ※

🏦 節税スキームの行きすぎが制度を壊す
〜DC制度に求められる“自浄作用”とは〜

確定拠出年金(DC)は、企業や従業員の将来の資産形成を支援する重要な制度です。
適切に活用すれば、老後資金の準備や人材定着の面でも大きな効果をもたらします。

しかしその一方で、「節税メリット」だけを過度に強調したり、
制度導入後の運用や説明を“入れっぱなし”にしてしまうケースも見受けられます。
制度が形骸化し、加入者に十分なメリットが届かないままでは、
本来の目的を果たすことはできません。

  ※  ※  ※


🧩 制度を守るための「自浄作用」

近年、一部の運営管理機関(レコードキーパー)では、
「事務取次(専門家)」の設置を標準とするルールを自主的に導入する動きが出ています。
これは法令改正による義務ではなく、
制度を適正に運用し、加入者を守るための自浄作用といえるものです。

専門家が間に入ることで、
制度導入時の説明、従業員への教育、運用管理のサポートといった
「本来必要なプロセス」が確実に実施されるようになります。
制度を“入れる”ことがゴールではなく、
運用を継続的に見直し、保全していくことが求められているのです。

  ※  ※  ※


💬 「はぐくみ年金」に見る教訓

同じような流れは、話題となっている「はぐくみ年金」にも見られました。
経営者の老後資金づくりを目的とした制度でしたが、
節税目的に偏った販売が広がり、結果的に掛金上限が大幅に引き下げられることとなりました。

制度そのものが悪いわけではありませんが、
“使われ方”が本来の趣旨を外れてしまうと、制度全体の信頼を損ないます。
こうした経験は、私たちに「制度をどう運用すべきか」を問いかけています。

  ※  ※  ※


🌱 制度は「入れて終わり」ではない

DC制度も、導入しただけで放置してしまえば、その効果は半減します。
大切なのは、加入者が理解し、主体的に運用に参加できる環境を整えること。
そのためにも、専門家が継続的に関与し、
制度の維持・保全を支援することがこれからのスタンダードとなるでしょう。

節税スキームの行きすぎが制度を壊すのなら、
自浄作用こそが制度を再び健全に保つ力になる——
私たちは、そうした制度運用の“伴走者”でありたいと考えています。

 

 

企業型確定拠出年金は従業員にも経営者にも大変メリットの大きい制度です。

岡山県内で選択制企業型確定拠出年金の導入をサポートできる社労士をお探しの場合には、ぜひお気軽にお問合せください。

初回の相談は無料となっております。

 

CONTACTお問い合わせ

SPECIALIZED SITE専門特化サイト