401kとは?企業型DCの仕組み・メリット・デメリットを社労士が解説|岡山・倉敷
「401kって何?」
「企業型DCと401kは同じもの?」
「iDeCoとは何が違うの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
401k(よんまるいちけー)とは、一般的に「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を指す言葉です。
現在、日本の制度上の名称は「企業型確定拠出年金」で、一般的には「企業型DC」と呼ばれています。
企業型DCは、会社が制度を導入し、従業員などが老後の資産形成を行うための私的年金制度です。加入者自身が運用商品を選び、その運用結果によって将来受け取る年金資産の額が変わります。
この記事では、「401kとは?」という疑問から、企業型DCの仕組み、選択制企業型DCの特徴、メリット・デメリットまで、中小企業の経営者様にも分かりやすく解説します。
401kとは?
401kとは、企業型確定拠出年金(企業型DC)を指す通称として使われている言葉です。
「401k」という名称は、アメリカの税制における401(k)制度に由来しています。
日本では「401k」という呼び方が広く使われてきましたが、現在の日本の制度上の正式な名称は「企業型確定拠出年金」です。
そのため、
- 401k
- 企業型DC
- 企業型確定拠出年金
という言葉を見かけた場合、基本的には同じ企業型の確定拠出年金制度を指していると考えてよいでしょう。
一方、個人が加入する確定拠出年金はiDeCo(個人型確定拠出年金)と呼ばれます。
企業型DCとiDeCoの違い
企業型DCとiDeCoは、どちらも老後の資産形成を目的とする確定拠出年金ですが、制度の実施主体などが異なります。
| 企業型DC(401k) | iDeCo | |
|---|---|---|
| 制度の種類 | 企業型確定拠出年金 | 個人型確定拠出年金 |
| 主な対象 | 企業型DCを導入している会社の従業員など | 加入要件を満たす個人 |
| 制度の実施 | 事業主 | 国民年金基金連合会 |
| 掛金 | 会社が拠出する仕組みが基本 | 原則として本人が拠出 |
| 運用 | 加入者自身が商品を選択 | 加入者自身が商品を選択 |
厚生労働省も、確定拠出年金には「企業型DC」と「iDeCo」があると説明しています。
企業型DC(401k)の仕組み
企業型DCは、拠出された掛金と、その掛金を運用して得られた運用益の合計額をもとに、将来の給付額が決まる制度です。
大まかな流れは次のとおりです。
会社が企業型DCを導入
↓
加入者が掛金を拠出
↓
加入者自身が運用商品を選択
↓
掛金を運用
↓
運用結果によって年金資産が増減
↓
原則60歳以降に受け取る
運用商品には、投資信託だけでなく、元本確保型の商品などもあります。
そのため、企業型DCは「会社が将来の年金額を保証する制度」ではありません。
運用結果によって将来受け取る金額が変わることが、確定給付型の企業年金などとの大きな違いです。
選択制企業型DCとは?
企業型DCの中には、「選択制企業型DC」と呼ばれる仕組みがあります。
選択制企業型DCでは、会社が給与等の一部について、本人が
- 給与として受け取る
- 企業型DCの掛金として拠出する
といった選択ができる仕組みを設けます。
たとえば、会社が「生涯設計手当」などの選択可能な手当を設定し、その一部を企業型DCの掛金として拠出する方法があります。
給与として受け取る部分と、企業型DCの掛金として拠出する部分では、税・社会保険料等の取り扱いが異なるため、給与の受け取り方を工夫しながら老後の資産形成を行えることが選択制DCの特徴です。
ただし、選択制DCでは社会保険料や将来の公的年金額などにも影響する場合があります。
そのため、制度導入時には、メリットだけではなくデメリットについても十分に説明することが重要です。
企業型DC(401k)の掛金はいくら?
企業型DCには、制度上の拠出限度額があります。
2026年9月現在、他の企業年金制度を実施していない場合の企業型DCの拠出限度額は月額5万5,000円です。
また、2026年12月1日からは制度改正により、企業型DCなどの拠出限度額が引き上げられ、企業年金と共通の拠出限度額が月額6万2,000円となる予定です。
【2026年9月時点】
- 現在:月額5万5,000円が基本
- 2026年12月1日~:月額6万2,000円へ引上げ予定
※他の企業年金制度の有無などによって拠出限度額は異なります。
企業型DCの制度設計を検討する際には、現在の限度額だけでなく、2026年12月からの制度改正も踏まえて検討することが重要です。
企業型DC(401k)の運用方法
企業型DCでは、加入者自身が運用商品を選びます。
運用商品の例としては、
- 投資信託
- 定期預金などの元本確保型商品
- 保険商品
などがあります。
投資信託の場合は、値上がりによって資産が増える可能性がある一方、運用状況によっては元本を下回る可能性もあります。
一方、元本確保型の商品は価格変動リスクを抑えられますが、一般的に大きな運用益は期待しにくいという特徴があります。
そのため、企業型DCでは**「どの商品を選ぶか」だけでなく、自分の年齢や資産形成の目的、リスク許容度などを踏まえて運用すること**が重要です。
企業型DC(401k)のメリット
① 福利厚生制度として活用できる
企業型DCは、従業員の老後の資産形成を支援する福利厚生制度の一つとして活用できます。
給与だけではなく、将来の資産形成を支援する制度を整えることは、従業員の安心感や福利厚生の充実にもつながります。
② 会社の退職給付制度として活用できる
企業型DCは、企業が従業員のために実施する企業年金制度の一つです。
退職金・企業年金制度の整備を検討している企業にとって、選択肢の一つとなります。
③ 採用・定着のための福利厚生としてアピールできる
人材確保が難しくなる中、給与だけではなく、老後の資産形成まで支援する福利厚生制度を整えることは、採用・定着施策の一つとして活用できます。
経営者自身にも企業型DCを活用できる?
企業型DCは「従業員だけの制度」と思われがちですが、加入資格を満たす役員も企業型DCの対象となり得ます。
そのため、会社の制度設計によっては、経営者自身の老後の資産形成についても企業型DCを活用できます。
ただし、
「会社の経費で社長個人の資産を積み立てる」
という単純な制度ではありません。
企業型DCは会社が実施する企業年金制度であり、掛金の拠出や加入資格、税務・社会保険上の取り扱いには一定のルールがあります。
経営者の加入を検討する場合も、会社の制度設計と加入資格を確認したうえで導入することが重要です。
従業員側のメリット
① 老後の資産形成を計画的に行える
給与として受け取ったお金を自分で貯蓄するだけではなく、企業型DCを利用して老後のための資産を計画的に積み立てることができます。
② 運用益に対する税制上の優遇がある
企業型DCでは、運用によって得られた利益について、通常の金融商品の運用益とは異なる税制上の優遇があります。
③ 転職しても年金資産を持ち運べる場合がある
企業型DCには、離職・転職時などに、それまで積み立てた年金資産を他の確定拠出年金制度などへ移換できる「ポータビリティ」の仕組みがあります。
企業型DC(401k)のデメリット
メリットの大きい企業型DCですが、誰にとってもメリットだけがある制度ではありません。
① 原則として60歳まで資産を引き出せない
企業型DCは老後の資産形成を目的とした制度のため、原則として60歳になるまで年金資産を引き出すことができません。
「必要なときに自由に使えるお金」ではないことを理解しておく必要があります。
一方で、簡単には引き出せないことが、老後資金を確保するうえでメリットになるともいえます。
② 運用結果によって資産額が変わる
企業型DCでは、加入者自身が運用商品を選択します。
そのため、投資信託などの商品を選択した場合には、運用状況によって資産額が増減します。
「掛金を積み立てれば、必ずその金額以上になる」という制度ではありません。
③ 選択制DCでは社会保険料や将来の年金額に影響する場合がある
選択制企業型DCでは、給与等の一部を企業型DCの掛金として拠出することにより、社会保険料等に影響する場合があります。
一方で、標準報酬月額等が下がることによって、将来受け取る厚生年金や、傷病手当金・出産手当金など一部の社会保障給付に影響する可能性もあります。
そのため、
「社会保険料が安くなるから必ず得」
と単純に考えるのではなく、現在の負担と将来の給付の両面から検討することが大切です。
④ 運用について一定の知識が必要
企業型DCでは、自分で運用商品を選択します。
そのため、投資経験がない方にとっては「何を選べばいいのか分からない」ということもあります。
企業型DCでは加入者への投資教育などの仕組みも設けられているため、制度を導入する企業側も、従業員が制度を理解して適切に運用できるよう情報提供を行うことが重要です。
企業型DC(401k)とiDeCoはどちらがいい?
「401kとiDeCoはどちらがいいの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
しかし、企業型DCとiDeCoは単純にどちらが優れているというものではありません。
勤務先の企業年金制度や掛金、本人の所得、老後資金の考え方などによって適した制度は変わります。
企業型DCは会社の制度として導入される一方、iDeCoは個人で加入する制度です。
そのため、勤務先に企業型DCがある場合には、まず会社の制度内容を確認したうえで、自分にとってどのような資産形成が適しているかを考えることが大切です。
企業型DC(401k)は中小企業にもおすすめ?
企業型DCは、大企業だけの制度ではありません。
中小企業においても、従業員の老後の資産形成を支援する福利厚生制度として活用できます。
特に、
- 福利厚生を充実させたい
- 採用時にアピールできる制度がほしい
- 従業員の定着率を高めたい
- 退職金制度を整備したい
- 経営者自身の老後資金についても考えたい
- 選択制DCを導入したい
といった企業では、企業型DCを検討する価値があります。
企業型DC(401k)の導入を検討する際のポイント
企業型DCは、単に「節税になるから導入する」という制度ではありません。
導入する際には、
①会社の制度設計
②従業員への説明
③掛金・給与制度との関係
④社会保険への影響
⑤将来の公的年金への影響
⑥運用商品の選択
⑦導入後の事務・運営
などを総合的に検討する必要があります。
特に選択制企業型DCの場合は、従業員にメリットだけを説明するのではなく、社会保険や将来の給付への影響も含めて説明することが重要です。
401k・企業型DCについてよくある質問
Q. 401kと企業型DCは同じですか?
はい。日本で「401k」と呼ばれているものの多くは、**企業型確定拠出年金(企業型DC)**を指しています。
現在は「企業型DC」という呼び方が一般的です。
Q. 401kは会社員しか加入できませんか?
企業型DCは会社が実施する制度です。
そのため、勤務先が企業型DCを導入していることなど、所定の加入要件を満たす必要があります。
また、役員についても加入資格を満たす場合には対象となり得ます。
Q. 企業型DCは元本保証ですか?
必ずしも元本保証ではありません。
企業型DCでは、加入者自身が運用商品を選択するため、投資信託などを選択した場合には運用結果によって資産額が変動します。
Q. 企業型DCはいつ受け取れますか?
老齢給付金は原則として60歳以降に受け取る制度ですが、加入期間などによって受給開始年齢が異なる場合があります。
また、現在は受給開始時期を75歳までの間で選択できる仕組みがあります。
Q. 2026年12月から企業型DCはどう変わりますか?
2026年12月1日から、企業型DCなどの拠出限度額が引き上げられる予定です。
企業年金と共通の拠出限度額が月額6万2,000円となるため、企業型DCの導入・制度変更を検討している企業では、改正内容を踏まえて制度設計することが重要です。
まとめ|401k=企業型DC。老後の資産形成を支える企業年金制度です
401kとは、一般的に企業型確定拠出年金(企業型DC)を指す言葉です。
企業型DCは、会社が制度を導入し、加入者が自分で運用商品を選択しながら、老後の資産形成を行うための制度です。
選択制企業型DCでは、給与等の一部について、給与として受け取るか企業型DCの掛金として拠出するかを選択する仕組みを設けることもできます。
一方で、社会保険料や将来の公的年金などに影響する場合もあるため、「節税できるからお得」という一面的な判断ではなく、メリット・デメリットの両方を理解して導入・加入を検討することが大切です。
また、2026年12月からは企業型DCの拠出限度額の引上げが予定されています。これから企業型DCの導入を検討する企業にとって、制度を見直すよいタイミングともいえるでしょう。
「401kについて詳しく知りたい」
「自社で企業型DCを導入できるか相談したい」
「選択制企業型DCのメリット・デメリットを詳しく知りたい」
という岡山県内の企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
当事務所では、企業型DCの導入について、社会保険労務士の立場からサポートしています。
初回相談は無料です。






