【コラム】ご存知ですか?時間外労働・休日労働~「法定」と「所定」の違い~
労働時間に関して問題が発生する際、それが法律で定められた労働時間なのか、会社独自の労働時間なのかで対応が異なります。特に、時間外労働の管理や給与計算において、正確な理解が重要です。
労働法の原則
労働基準法では、1日8時間・1週40時間以内を「法定労働時間」として定めています。また、休日に関しては、原則として「毎週1回以上」の休日を付与する必要があります。
法定労働時間を超えた労働は「時間外労働」、1週間のうちに1日与えられる休日を「法定休日」といいます。
残業(法定と所定の違い)
「残業」は、会社が定めた「所定労働時間」を超える労働時間を指すことが多いですが、法律上の「時間外労働」は、「法定労働時間」を超える時間のことです。
例えば、始業が9:00、休憩が12:00~13:00、終業が17:30の会社では、所定労働時間は7時間30分となります。18:00まで働いた場合、残業は30分となりますが、法定労働時間を超えていないため、時間外割増(残業代)は発生しません(労使協定により異なる場合があります)。
休日(法定と所定の違い)
休日労働についても同様の注意が必要です。多くの人が「休日労働」と聞くと、会社が定めた「所定休日」に働いた時間を想像しますが、法律上の「休日労働」は「法定休日」に働いた場合を指します。
例えば、毎週土曜日と日曜日が所定休日で、日曜日が法定休日とされている場合、土曜日に働いたとしても、それは法定休日労働には該当しません。日曜日に働いた時間のみが「法定休日労働」となります。また、月曜から土曜までの労働時間が40時間を超えた場合、その超過分は「時間外労働」として計算されます。
まとめ
労働時間や休日労働に関する管理には、会社が定めた「所定」と法律で定められた「法定」の区別を正しく理解することが不可欠です。適切な労働時間の管理を行うことで、法令遵守だけでなく、労使双方にとって安心できる職場環境が実現します。