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【人事労務コラム】2025年4月新設!育児時短就業給付金|社労士 岡山・倉敷

2025年4月、新たに「出生後休業支援給付金」や「育児時短就業給付金」といった制度が創設されました。これにより、子育てと仕事を両立しやすい環境が一層整備される見込みです。本コラムでは、新制度の「育児時短就業給付金」にスポットを当てて分かりやすく解説します。

1. 育児休業等給付の全体像

2025年4月以降の育児休業等給付には、主に以下のような給付金があります。

図1: 育児休業等給付の全体像

 

給付金名 対象者 休業/給付期間 支給要件 支給額
出生時育児休業給付金 雇用保険の被保険者で、子の出生後8週間以内に「産後パパ育休」を取得する方 最大4週間(28日)、2回分割可 1. 休業開始日前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月以上
2. 休業期間中の就業日数が最大10日(または就業時間が80時間)以下
休業開始時賃金日額の67%相当
育児休業給付金 雇用保険の被保険者で、原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得する方 子が1歳になるまで、2回分割取得可 1. 休業開始日前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月以上
2. 休業期間中の就業日数が最大10日(または就業時間が80時間)以下
●休業開始から180日目まで: 賃金日額の67%
●181日目以降: 賃金日額の50%
出生後休業支援給付金
(2025年4月新設)
出生時育児休業給付金または育児休業給付金を受給する被保険者で、一定の要件を満たす方 原則8週まで、産後休業をする場合は16週まで 被保険者とその配偶者の両方が子の出生直後の一定期間内に14日以上育児休業を取得 賃金日額の13%相当
育児時短就業給付金※
(2025年4月新設)
2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業する雇用保険の被保険者 育児時短就業期間(詳細未定) 1. 育児時短就業の初日および終了日を明示
2. 事業主が認めた短時間勤務であること
時短勤務中に支払われた賃金額の10%相当

2024年4月に新設された「育児時短就業給付金」の内容

この制度は、2歳未満の子どもを育てる従業員が、働く時間を短くして働いた結果、給料が減った場合に、その一部を補う給付金です。
雇用保険に入っている従業員が対象で、毎月の賃金の10%を目安に支給されます(ただし条件あり)。

従業員個人が給付を受ける制度ではありますが、実際の手続きは会社が担う場面が多いのがこの制度の特徴です。
「育児休業から復帰後に時短勤務になった社員がいる」「短時間勤務の制度がすでにある」という企業では、実務対応が必要になる可能性が高いため、早めに内容を把握しておきましょう。

 


1. 会社が担う手続きの主な流れ

会社が対応すべき実務は、大きく分けて次の4つです。

  • 育児時短就業開始時の賃金の届出
    → 時短勤務を開始した時点の賃金水準をハローワークへ届け出ます。

  • 受給資格の確認
    → 育児の事実や本来の労働時間、時短勤務の開始日などを記載した申請書を提出します。

  • 支給申請
    → 原則として2か月に1回、該当する支給月ごとに申請を行います(従業員が希望すれば1か月単位も可能)。

  • 添付書類の整備
    → 賃金台帳、出勤簿、タイムカード、労働条件通知書などを申請に添えて提出します。


2. 実務で特に注意すべきポイント

申請期限の管理
各申請は「支給対象月の初日から4か月以内」に行う必要があります。
これを過ぎると給付は受けられなくなります

労働時間と雇用保険の資格
時短勤務後も「週20時間以上」の労働が原則です。
それを下回ると雇用保険の被保険者資格を失い、支給の対象外となります。

給与明細と出勤記録の整備
申請には正確な賃金と労働時間の記録が不可欠です。
支給されないケースの多くは、記録不備や証明不足が原因です。

労働条件の変更には就業規則の整備を
時短後の勤務条件については、必要に応じて就業規則や労働条件通知書など、書面での明示が求められます。


3. 制度対応で会社が得られるメリット

育児と仕事を両立しやすい環境を整えることは、離職防止や採用力の強化につながります。
制度を理解し、きちんと運用することで、従業員からの信頼にもつながります。


まとめ

  • 育児時短就業給付金は、会社主導での手続きが前提です。

  • 申請期限・賃金記録・労働時間の管理が対応のカギになります。

  • 制度対応を通じて、育児支援に積極的な企業姿勢を社内外にアピールできます。

▶出典:厚生労働省「育児時短就業給付金の内容と 支給申請手続」

お問い合わせ

育児休業等給付は、仕事と家庭の両立を支援するために重要な制度です。特に、2025年に新設される「出生後休業支援給付金」や「育児時短就業給付金」は、より多くの家庭が利用しやすい内容となっています。改正後の制度の対象となるのは2025年4月以降に育休等復帰される方となります。ご不明な点や詳細については、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

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