【DCコラム】経営者の老後資金戦略に、企業型DCを再確認【2025年最新版】|社労士 岡山・倉敷

経営者の皆さま、企業型確定拠出年金(企業型DC)のメリットはご存知でしょうか?
以前は企業型DCといえば銀行系の大企業向けプランが中心で、ある程度の従業員人数が必要でした。しかし現在は、役員1人からでも加入可能で、希望者が自由に利用できる制度設計が可能になり、中小企業にも導入の流れが広がっています。
企業型DCは、会社のお金で経営者の老後資金を積み立てられる制度です。拠出金は会社の損金扱いとなりながら、運用後は個人の資産として守られます。会社に万が一のことがあっても、積み立てた年金資金は保護されるため、経営者の老後資金の積み立て方法として十分にメリットがあります。
今回は、企業型DCの導入で経営者にとってお得なポイントに内容を絞り、基本から活用のコツまでを、2025年最新情報でわかりやすく解説します。
企業型DCの基本おさらい
① 企業型DCとは?
会社が拠出金を積み立て、従業員や役員が運用する年金制度。
会社の資金を使って個人資産を作れるのが最大の特徴です。
② 個人型(iDeCo)との違い
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個人型は自分で拠出して運用
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企業型は会社が拠出し、経営者・従業員が運用
→会社のお金を効率的に老後資金に変えることができます。
③ 企業型DCの導入状況
導入企業は増加中ですが、活用はまだ一部(約2%)。
SBIなどでは役員1人からでも導入可能で、一人社長でも使いやすいプランがあります。
④ 拠出金の特徴
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会社の拠出は損金扱いで節税効果あり
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運用後は個人資産として守られるため、老後資金の計画が立てやすい
⑤ 導入後の運用
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運用先で資産を管理
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試算や状況は個別に確認可能で、経営者自身の資産形成にも便利
⑥ 役員の積み立て方
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役員報酬を下げずに積み立て可能
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中小企業共済と併用で老後資金の効率的な準備が可能
⑦ 運用の仕組み
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自己責任ですが、分散投資や総合型プランでリスク管理が可能
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定期的な運用状況の確認が推奨されます
⑧ 受け取り方
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退職時または、会社が定めた年齢(例:60歳、65歳)に到達すれば、退職せずとも受け取り可能
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年金・一時金どちらでも受け取れ、柔軟に資金を活用可能です
⑨ メリット・デメリット
メリット
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老後資金を効率的に形成できる
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会社のお金を使って個人資産を作れる
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積み立てた資金は会社に何かあっても守られる
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役員報酬を下げずに資産形成可能
デメリット
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導入・運用にコストがかかる
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制度導入には概ね6か月前後必要
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運用は自己責任
経営者が抱える老後資金問題は、企業型DCで解決可能です!
①老後のお金が足りない問題
経営者の退職金は、よく内部留保で積み立てるパターンが多く見られます。しかし、この方法では事業の運転資金と混ざってしまい、十分な額を確保できないこともあり得ます。
企業型DCを利用すると、拠出金を会社の経費として計上でき、決算書上は「福利厚生費」として計画的に積み立て可能です。これにより、老後資金を効率的に確保しつつ、事業資金と分けて管理できます。
②退職しないとお金がもらえない問題
従来の退職金制度や中小企業共済では、退職しなければ受け取れないことがほとんどです。現役経営を続けたい場合は、老後資金を自由に使えないため資金計画が立てにくくなります。
企業型DCなら、会社が定めた年齢(例:60歳、65歳)に到達すれば、退職していなくても年金または一時金として受け取れるため、現役経営者でも安心して老後資金を準備できます。
③役員報酬を下げると生活が苦しい問題
老後資金を準備するために役員報酬を増やして貯蓄に回すことは一見合理的に見えますが、実際には報酬の改定には株主総会での決議が必要で、しかも期首でしか変更できないため、柔軟に調整するのが難しいのが現状です。また、役員報酬が増えれば、社会保険料や税金も当然かかってきます。
企業型DCであれば、社会保険料や税金の負担をおさえつつ、会社の資金を使って積み立てながら、手取り報酬はそのまま維持できるため、生活を圧迫せずに老後資金を確保できます。
💡 まとめ
会社の資金を賢く活用して自分の老後資金を形成できる企業型DCは、現役経営者の資金戦略に欠かせない制度です。
導入コストや運用の手間はありますが、その先に得られるメリットは非常に大きく、経営者の老後資金の安心感につながります。
もちろん、会社の福利厚生制度としても大変優秀な為、導入企業が増えています。
気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。







