【人事労務コラム】問題社員対応に活かす「メタ認知」と「確証バイアス」|社労士 岡山・倉敷

経営者・管理者にとって、社員の評価や問題行動への対応は日常業務の中でも特に難しいものです。感情的な判断や先入観に頼ると、トラブルが大きくなった際に会社が不利になるリスクがあります。ここで役立つのが、心理学の 「メタ認知」 と 「確証バイアス」 という考え方です。
1. メタ認知と確証バイアスとは?
メタ認知
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簡単に言うと 「自分の考えや感情、判断のクセを一歩引いて眺める力」
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面談や評価で自分が感情的になっていないか、先入観に囚われていないかを確認できる
確証バイアス
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「自分の信じたいことだけで判断してしまう心理」
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例:問題社員と決めつけて改善の兆しを見逃す、感情や印象だけで評価する
無意識の偏りに気づき、客観的に判断することが経営者にとって重要です。
2. 面談対応の具体的フロー
Step 1:事前準備(メタ認知)
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自分の感情や印象を整理
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「苛立ちを感じているが、事実と印象を分けて判断できるか?」
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就業規則・評価制度・雇用契約書を確認
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指摘内容が制度や契約に基づくものか確認
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Step 2:面談での対応
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事実ベースで説明
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例)「3月に遅刻が3回発生しました。就業規則第○条に基づき指摘します」
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改善方向を示す
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例)「4月末までに遅刻を0にすることを目標とします」
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例)「必要であれば勤務時間の調整やサポートも検討します」
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感情的評価を避ける
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「やる気がない」「態度が悪い」といった印象ではなく、事実とルールに基づく指摘
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Step 3:文章で記録
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面談内容、指摘事項、改善目標、次回面談予定を文書化
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社員に配布またはメールで送付し確認を取る
Step 4:定期フォロー
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指導後の改善状況を記録
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必要に応じて再面談し、指導内容を追加で文書化
3. なぜ記録が重要か
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このような指導の積み上げが 客観的資料 になる
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トラブルが大きくなり裁判や労働審判に発展しても、客観的資料 が会社に有利に働く
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確証バイアスに頼ると、感情や先入観だけで判断して記録を怠る危険がある
4. 労務管理視点でのポイント
| 項目 | 実務対応ポイント |
|---|---|
| メタ認知 | 面談前に自分の感情・先入観を俯瞰、冷静な判断を意識 |
| 確証バイアス回避 | 事実・制度・複数の視点に基づき評価 |
| 文書化 | 面談内容、指導日時、改善目標を文章に残す |
| フォロー | 改善状況を定期記録 → 次の指導や評価に活用 |
💡ポイント
メタ認知で自分の判断を俯瞰
確証バイアスを意識して事実・制度に基づく判断
面談記録や制度と組み合わせて、会社を守りつつ社員改善を促す
問題社員対応など、従業員とのトラブルに発展しそうな場合や、個別の案件など、ご質問があれば、
どうぞお気軽にご相談ください。






