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【人事労務コラム】“正社員なのに違う”は通用しない――多様な正社員と労働契約明確化の重要性|社労士 岡山・倉敷

勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員――
近年、「多様な正社員」という働き方が広がっています。

一方で、
「正社員なのだから柔軟に対応してほしい」
「必要があれば配置転換も当然」
といったあいまいな運用が、
裁判で問題となるケースも増えています。

厚生労働省が公表している
「無期転換ルール及び多様な正社員等の労働契約関係の明確化に関する考え方と裁判例」
では、多様な正社員をめぐる裁判例をもとに、
労働契約関係を明確にする重要性が整理されています。

本コラム(後編)では、「多様な正社員編」として
その考え方と実務上の注意点を解説します。

多様な正社員編:裁判例から見た「判断ポイント」整理

厚生労働省資料では、
多様な正社員について「制度名」よりも「中身」が重視されています。

判断ポイント① 職務・勤務地・労働時間は明確に合意されていたか

裁判所が見るのは👇

  • 職務内容はどこまで限定されていたか

  • 勤務地の範囲は具体的に示されていたか

  • 労働時間・責任の範囲はどうだったか

👉「正社員だから柔軟に」は通用しない。


判断ポイント② 契約内容と実態が一致しているか

厚労省資料では、次のズレが問題となっています。

  • 職務限定のはずが、実際は幅広い業務

  • 勤務地限定のはずが、実質的な配置転換

  • 短時間正社員なのに、実態はフルタイム同様

👉実態が優先され、契約上の限定が否定されることがある。


判断ポイント③ 不利益変更・配置転換の合理性があるか

  • 変更の必要性は業務上説明できるか

  • 本人への影響はどの程度か

  • 代替措置や配慮がなされているか

👉限定正社員に対する変更は、
通常の正社員以上に慎重な判断が求められる。


判断ポイント④ 労働条件の明確化が十分になされていたか

  • 契約書・就業規則・説明内容が一致しているか

  • 制度趣旨が労働者に理解されていたか

👉曖昧な説明や運用は、
後から会社に不利に解釈され得る

多様な正社員編・判断ポイントまとめ

  • 「正社員」という呼称だけでは足りない

  • 限定内容は具体的かつ一貫している必要がある

  • 実態と契約のズレは会社リスクになる

  • 配置転換・条件変更は特に要注意

  • 制度設計と運用の整合性が不可欠

 

参考資料・前編のご案内

👉 前編:「無期転換ルール編」へのリンク

まとめ

多様な正社員制度は、
人材確保・定着に有効な一方、
設計と運用を誤ると
大きな労務リスクになります。

制度設計や運用の見直しは、
個別事情を踏まえた検討が不可欠です。

具体的なケースについては、
お気軽にご相談ください。

 

 

 

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