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【DCコラム】生命保険料控除と企業型DC、どちらがお得?控除を使い切っている場合の税制メリットを比較|社労士 岡山・倉敷

結論:先に知っておきたいこと

  • 税制上のメリットだけを比較すると、生命保険料控除をすでに上限まで利用していて、さらに老後資金を準備する場合、企業型DC(企業型確定拠出年金)は有力な選択肢の一つです。
  • ただし、生命保険には「保障」という別の役割があるため、「保険を解約して企業型DCに切り替えればよい」という意味ではありません。「DCのほうが絶対に得」とも言い切れません。
  • 企業型DCの掛金には、会社が拠出する「事業主掛金」と、制度によっては従業員が上乗せして拠出する「加入者掛金(マッチング拠出等)」があり、税金の扱いが異なります。
  • 企業型DCを導入すると、従業員から税金や保険との比較について質問を受けることがあります。制度を導入して終わりにせず、従業員への説明・情報提供を続けられる体制を整えておくことが重要です。

※本記事は、生命保険料控除と企業型DCの一般的な制度上の違いを解説するものです。個別の税務・保険については専門家にご確認ください。


生命保険料控除と企業型DC、そもそも何が違う?

生命保険料控除とは

生命保険料控除は、生命保険や医療保険、個人年金保険などの保険料を支払っている人が受けられる所得控除です。「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つの枠があり、それぞれに上限が設けられています。3つの枠を合計した控除額にも上限があるため、保険料をたくさん支払っていても、控除額がそれ以上増えない場合があります。

企業型DCの掛金にはどのような税制メリットがある?

企業型DCは、会社が掛金を積み立てて従業員の老後資金を準備する制度です。基本となる会社拠出の「事業主掛金」に加えて、制度の規約によっては、従業員が給与から上乗せして拠出できる「マッチング拠出」や、給与の一部を掛金に振り替えるかどうかを従業員が選べる「選択制企業型DC」という仕組みを導入している会社もあります。

このうち、従業員自身が拠出する掛金(マッチング拠出の加入者掛金)については、一定の要件のもとで「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象になります。生命保険料控除とは異なる控除の仕組みであることが特徴です。

なお、選択制企業型DCについては、給与のうち掛金に振り替えた部分がそもそも給与として支給されない扱いとなるため、小規模企業共済等掛金控除とは異なる仕組みで税負担に影響します。この点は次の章で改めて整理します。

どちらも「所得控除」だが、仕組みは同じではない

生命保険料控除と小規模企業共済等掛金控除は、どちらも所得税・住民税の計算のもとになる所得を減らす「所得控除」の一種です。しかし、対象となる支払いの種類も、控除額の計算方法も異なります。「同じ所得控除だから効果も同じ」と考えるのは誤解のもとになりますので、それぞれ別の制度として理解することが大切です。


生命保険料控除を使い切っている場合、企業型DCは有利?

生命保険料控除には上限がある

生命保険料控除は、保険料を多く支払うほど際限なく控除額が増える制度ではありません。3つの枠それぞれに上限があり、さらに合計額にも上限があります。すでに上限に達している人が保険料を追加で支払っても、その分の税負担が軽くなるわけではありません。

なお、2026年分の所得税については、23歳未満の扶養親族がいる世帯を対象に、一般生命保険料控除の上限が一時的に引き上げられる措置が設けられています(時限措置)。対象となるかどうかや金額の詳細は、国税庁の最新情報でご確認ください。

企業型DCの加入者掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象

生命保険料控除をすでに使い切っていて、さらに老後資金を準備したいと考える場合、企業型DCのマッチング拠出(加入者掛金)は検討の余地がある選択肢です。加入者掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となり、生命保険料控除のような上限額の設計とは異なる仕組みで所得控除を受けられます(ただし、加入者掛金には事業主掛金を超えない範囲・確定拠出年金法上の拠出限度額といった制約があります)。

つまり、「生命保険料控除はもう増やせないが、企業型DCへの拠出であれば税制上の効果を検討できる場合がある」という点が、この記事で押さえておきたいポイントです。

「さらに老後資金を準備する」という意味では企業型DCを検討する余地がある

大切なのは、企業型DCが「節税のための制度」ではなく、あくまで「老後資金を準備するための制度」であるという点です。その準備の過程で、税制上の優遇を受けられる場合がある、という位置づけで理解しておくとよいでしょう。

簡単な比較表

項目 生命保険料控除 企業型DC(従業員拠出分) 企業型DC(会社拠出分)
主な目的 保障 老後の資産形成
税制上の扱い 生命保険料控除 小規模企業共済等掛金控除の対象となる場合がある 事業主掛金は原則として給与課税されない
控除額 上限あり 掛金額に応じる
年末調整との関係 保険料控除証明書を利用 拠出方法・制度設計による
資産形成の性質 保険商品の設計による 加入者が運用商品を選択

※表の制度上の表現・数値は、2026年時点の最新の公的情報と照合してください。制度改正により変わる場合があります。


ただし「保険をやめて企業型DC」が正解とは限らない

生命保険には「保障」という役割がある

生命保険は、万が一のときの死亡保障や、病気・介護に備える保障を目的とした商品です。家族の生活を守る、医療費の負担に備えるといった役割は、老後資金の準備とは異なるものです。

企業型DCは老後資金のための制度

一方、企業型DCは老後の資産形成を目的とした制度であり、万が一のときの保障機能はありません。掛金は原則として老後まで引き出すことができない点も、保険とは異なる特徴です。

「税制メリット」だけで判断しない

税制上の扱いだけを比較すると、企業型DCに掛金を回したほうが有利に見える場面もあります。しかし、保障が必要な人が保険を解約してまで企業型DCに切り替えるという判断は、慎重に行う必要があります。保障の見直しや保険の解約については、税制メリットだけでなく、家計全体の保障ニーズを踏まえたうえで、保険や税務の専門家に相談することをおすすめします。


企業型DCを導入すると、従業員からこんな質問が出てきます

実際に企業型DCの説明を行っていると、制度そのものだけでなく、税金や現在加入している保険との関係について質問を受けることがあります。

  • 「生命保険料控除とDC、どっちが得ですか?」
  • 「年末調整で何か手続きが必要ですか?」
  • 「iDeCo(個人型確定拠出年金)と企業型DCは何が違いますか?」
  • 「DCにいくら入れるのがいいですか?」
  • 「今入っている保険はどうしたらいいですか?」

これらは制度の仕組みを理解していれば答えられる質問もありますが、税務や保険商品に関わる部分は、会社の担当者だけで正確に答えるのが難しい場合もあります。

企業型DCは、制度を導入して終わりではなく、従業員への説明・情報提供を続けていくことが、制度をうまく活用してもらうために重要です。


企業型DCの導入・従業員への説明は社労士にご相談ください

企業型DCは、制度を導入すればそれで完了というわけではありません。従業員への説明や、導入後の制度運用についても、あわせて確認しておきたいポイントがあります。

  • 「導入を検討しているけれど、何から始めればいいか分からない」
  • 「従業員への説明をどうすればいいか分からない」
  • 「従業員から質問を受けたが、回答に迷う」

このような場合も、社会保険労務士にご相談ください。制度導入の進め方だけでなく、従業員説明の準備や導入後の制度運用についても、あわせてご相談いただけます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 生命保険料控除を使い切っていれば、必ず企業型DCのほうが得になりますか?

A. 一概には言えません。税制上の扱いに違いはありますが、実際の税負担の軽減額は、所得や税率、掛金額など個々の状況によって異なります。

Q2. 企業型DCに入れば、生命保険は解約したほうがいいですか?

A. 税制メリットだけを理由に保険を解約することはおすすめできません。生命保険は保障、企業型DCは老後資産形成と、それぞれ目的が異なります。保障の見直しは保険の専門家にご相談ください。

Q3. 企業型DCの掛金は、年末調整でどのように扱われますか?

A. 生命保険料控除のように、保険料控除証明書を提出して申告するものとは仕組みが異なります。会社が拠出する事業主掛金と、従業員が拠出する加入者掛金では税制上の扱いも異なります。マッチング拠出などの加入者掛金については小規模企業共済等掛金控除の対象となるため、具体的な処理方法は勤務先の制度内容や給与計算の方法を確認してください。

Q4. 選択制企業型DCを導入すると、社会保険料はどうなりますか?

A. 選択制企業型DCでは、給与の一部を掛金に振り替える仕組み上、社会保険料の算定基礎に影響が生じる場合があります。ただし、社会保険料が変わる場合、将来受け取る年金額など各種給付にも関係するため、単純に「社会保険料が下がる=得」と判断することはできません。すべての従業員で一律に影響が生じるとも限らないため、個々の給与設計に応じた確認が必要です。

Q5. iDeCoと企業型DCは何が違いますか?

A. iDeCoは加入者が個人で申し込み、掛金を拠出する制度です。企業型DCは会社が制度を導入し、事業主掛金を拠出する(規約によっては従業員が上乗せ拠出できる場合もある)制度です。両者は加入の仕組みや掛金の限度額などが異なるため、混同しないよう注意が必要です。


※本記事の内容は一般的な制度の考え方を紹介するものであり、個別の税務・保険に関する助言ではありません。制度の数値や適用条件は改正により変更される場合があります。実際の申告・手続きにあたっては、国税庁等の公的情報や税理士等の専門家に必ずご確認ください。

無料相談のご案内

企業型DCは、制度を導入するだけでなく、従業員が制度を理解し、自分に合った使い方を考えられるようにすることも大切です。

「企業型DCを導入したいけれど、何から始めればよいかわからない」
「従業員への説明をどうすればよいかわからない」
「導入後の制度運用について相談したい」
「従業員から税金やiDeCo、保険との違いについて質問された」

このような場合は、ぜひ一度ご相談ください。

当事務所では、企業型DCの導入に向けた準備から、従業員への説明、導入後の制度運用まで、企業の状況に応じてご相談をお受けしています。

ご相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

弊社では、企業型確定拠出年金の導入サポートを行っております。

自社だけで準備するのは大変なこれらの制度導入について、制度導入、および、導入後の保守管理もフルサポートを行っております。

「自社の場合はどう進めればよいか」など、具体的なご相談は、無料相談にて承っておりますのでお気軽にご相談ください。

 

 

 

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