勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員――近年、「多様な正社員」という働き方が広がっています。 一方で、「正社員なのだから柔軟に対応してほしい」「必要があれば配置転換も当然」といったあいまいな運用が、裁判で問題となるケースも増えています。 厚生労働省が公表している 「無期転換ルール及び多様な正社員等の労働契約関係の明確化に関する考え方と裁判例」では、多様な正社員をめぐる裁判例をもとに
有期契約労働者の「無期転換ルール」は、「5年を超えたら無期になる」という単純な話ではありません。更新の経緯や会社の対応次第では、無期転換申込権が発生する“直前”の雇止めが違法と判断されるリスクがあります。 厚生労働省が公表している「無期転換ルール及び多様な正社員等の労働契約関係の明確化に関する考え方と裁判例」では、裁判例をもとにどのような雇止めが問題となるのかが整理されています。 本コラム
心理学から考える「初動対応」の重要性 企業実務で「問題社員」という言葉が使われる場面は少なくありません。 多くの場合、その議論は「すでに問題が顕在化した後」、つまり対症療法から始まります。 しかし、本当に重要なのは問題が表面化する前の初動です。 本コラムでは、問題社員がどのようにして“モンスター化”していくのかを、心理学的な視点から整理し、その上で実務上の対応を解説します。
採用時によく使われる「試用期間」ですが、実は“契約期間の有無(有期・無期)”とはまったく別の制度です。 この違いを理解していないと、「試用期間だから3ヶ月で終わりにできる」と誤解し、思わぬトラブルにつながることがあります。まずは両者の関係をシンプルに押さえることが重要です。 ① 労働契約の期間の定め(有期/無期) これは 働く期間そのものがどう設定されているか。 無
2019年の法施行から5年が経過した「同一労働同一賃金」制度ですが、先日、厚生労働省の労働政策審議会でガイドラインの見直し案が提示されました。 企業の実務対応には一定の影響・変更が想定されます。現時点では「案提示」段階ですが、方向性として以下のような対応が必要になる可能性があります。 1. 待遇差の合理性判断の明確化 背景:これまで「正社員と非正規
賞与は、従業員のモチベーション向上や採用力の強化に役立つ一方で、経営者にとっては本来「任意の支出」であり、 法律上は支給の有無や金額を自由に決定できます。ただし、一度制度化すると「期待権」が発生し、減額・廃止が難しくなる点には注意が必要です。 本コラムでは、賞与の法的性質・期待権・就業規則・相場・社会保険料・助成金要件・月給増との比較までを、経営者の意思決定に役立つ形で整理します。 1
賢い経営者はもう始めている “会社のお金を安全に個人資産へ付け替える”という発想── なぜ、いま企業型DCなのか?── ① 経営者のための「資金付け替え」という考え方 経営者にとって、会社の財務と自分の生活は切っても切り離せません。業績の波や万が一の事故・病気、さらには事業が立ちゆかなくなったとき…会社のお金と個人のお金が混ざりやすいからこそ、 会社の資金を合法的に“個人資
経営者・管理者にとって、社員の評価や問題行動への対応は日常業務の中でも特に難しいものです。感情的な判断や先入観に頼ると、トラブルが大きくなった際に会社が不利になるリスクがあります。ここで役立つのが、心理学の 「メタ認知」 と 「確証バイアス」 という考え方です。 1. メタ認知と確証バイアスとは? メタ認知 簡単に言うと 「自分の考えや感情、判断の
令和7年11月19日付の官報にて、通勤手当の非課税限度額が引き上げられることが正式決定しました。 今回の改定では、2025年4月にさかのぼって非課税扱いが可能となるため、給与計算や年末調整での対応が必須です。 1.非課税限度額引き上げの概要 従業員が受け取る通勤手当の非課税枠が拡大 過去に課税扱いされた通勤手当も、改正後の非課税限度額で精算可能
経営者の皆さま、企業型確定拠出年金(企業型DC)のメリットはご存知でしょうか? 以前は企業型DCといえば銀行系の大企業向けプランが中心で、ある程度の従業員人数が必要でした。しかし現在は、役員1人からでも加入可能で、希望者が自由に利用できる制度設計が可能になり、中小企業にも導入の流れが広がっています。 企業型DCは、会社のお金で経営者の老後資金を積み立てられる制度です。拠出金は会社の損金扱い